Cameraと散歩

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170404 教育勅語

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2017/04/04の北海道新聞「卓上四季」に教育勅語について書いてあった。

中段に、
勅語に親孝行や夫婦円満などの徳目が盛りこまれているが、そもそも明治政府が天皇制を守るために国民に授けた教えだ。
「万一危急の大事が起こったならば・・・一身を捧げて皇室国家のためにつくせ」(旧文部省の通釈)とあり、軍国主義に利用された。
と、している。

勅語」とは、天皇の意思表示の言葉(新明解国語辞典)とされ、さらに広辞苑では、明治憲法下で天皇が大権に基づき機関の参与をまたず、親しく臣民に対して発表せられた意思表示、としている。

さらに、「危急」とは、生死にかかわるような非常に危険な事態が間近に迫っていること、「大事」は、根本にかかわる重要な事態であり、危機が迫り、このまま生き残るか滅びるかという重大な分かれ目が起こった時は、国家の存立のために一致団結してつくせ、ということだろう。

ので、明治政府が天皇制を守るために国民に授けたとするのは、卓上四季氏の従来のものとは違う新しい解釈である。



170405 百年前の世界

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変見自在 高山正之

 百年前の世界 



アルゼンチンの観戦武官ドメク・ガルシアは装甲巡洋艦「日進」に乗ってロシア艦隊が日本海に没していくのを目撃している。

彼の観戦記には戦いを前に甲板を洗い、自身も沐浴し、清潔な着衣に改める日本人の戦争のマナーが驚嘆の言葉で綴られている。

彼の祖国の海軍も、間もなくまみえるロシア艦隊も、戦いではどうせ汚れるのだからと汚い服で済ます。

それで被弾負傷すれば確かに要らざる感染菌にまみれることになる。
冷静に戦いに備える日本人を見ていて「ふと祖国の海軍にいた先住民水夫を思い出した」というくだりがある。




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過去形なのは19世紀末にロッカ将軍が国家近代化を唱え、国中の先住民を皆殺しにしてしまったからだ。

昨日まで一緒だった水夫も含め、黄色い連中を駆除することが近代国家の体裁だと信じられていた。
「白いアルゼンチン」を実現したロッカはその功績で大統領に就任した。
隣邦りんぽうもそれに倣った。
ウルグアイは白人度100%にまでもっていった。




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この7月、南米を訪れたアルゼンチン出身のフランシスコ法王は16世紀にスペイン人が行なった先住民虐殺に触れて「謙虚に謝罪したい」と言った。

それがつい100年前まで法王の祖国でも行われていたことは黙っていた。




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同じころ米国のサウスダコタ州ウーンデッド・ニーで第7騎兵隊が女子供を含む最後のスー族400人を皆殺しにした。

これで2世紀に及ぶインディアン殺しはほぼ終わり、第7騎兵隊は連邦議会から表彰を受けた。




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カナダではキリスト教会が先住民淘汰を主導した。

ハーバー首相の謝罪演説によるとカナダでは19世紀中頃からイヌイットなど先住民の子供が教会の寄宿舎に強制隔離され、虐待され、緩慢な人種と文化の淘汰が進められた。

子供達はキリスト教と英語を強制され、先住民の「汚い言葉」を使うと凄まじいリンチを受けた。

隔離総数は15万人。
うち5万人が寄宿舎内で殺されたという記録がある。




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豪州も同じころ先住民淘汰のピークを迎え、その頃の呼び名「スカル・クリーク」(死体処分場)が今、地名として残っている。

ここでの先住民殺しは20世紀も続けられ、シドニーの州立図書館所蔵の1928年の日記に「今日の収穫アボリジニ17匹」(降簱学『残酷な楽園』)とある。

旧約聖書では約束の地カナンに入ったユダヤびとは神の命で先住の民を殺しまくった。
男は皆殺しにされ、妊娠した女は腹を裂かれて嬰児も殺された。
処女は神からの贈り物、みんなで弄ぶがよいともある。

豪州の元首相ジョン・ハワードアボリジニ殺しについて「私たちの倫理観はユダヤ教キリスト教から来ている」(朝日新聞2月18日)と語る。
白人が有色人種を殺すのはキリスト教的倫理観に適い、むしろ神が望まれているのだと言っている。




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同じ19世紀末、来日したラドヤード・キプリングは「日本はいずれ米国の植民地にされ、ボタンを作る工場にされる」と予言した。

実際、その翌年には米国がハワイ王国を潰し、英国はビルマ王国を植民地にした。
国王はインドに流され、王女はインド兵に下げ渡された。

次はキプリングが言うように日本の番だった。




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安倍談話の冒頭の「百年以上前の世界」とはこんな状況だった。
有色人種は国家主権どころか生きる権利すら持てない時代だった。
そんな時に日本が立ってロシアを倒した。
白人は神ではなく、ただの残忍な文化の破壊者だったことを日本人が世界に教えた。

イスラムの国々は狂喜し、ネルードーバー海峡の船の上で飛び跳ねた。
孫文も「日本人にできるなら支那人にもできる」と言った。
他はともかく、お前たちには無理だ。




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日露戦争はそれほどの重みと意味があった。
朝日新聞日露戦争百周年の折「ロシアは極東進出の意図はなかった」「日本の侵略戦争だった」と社説に書いた。

たまには歴史を直視して記事を書け。



’15.9.3の週刊新潮より


170320 報道の自由

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平成29年3月20日の朝刊記事である。
1面のトップ記事は北海道新幹線開通後の函館、北斗市の観光客誘致に関する記事である。
その横に北海道下川町出身ジャンプスキーの葛西選手の19日に行われた競技結果2位の記事である。

この19日には安倍晋三首相がドイツへ向かったのであるが、その記事はなかった。




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ページをめくっていくと、5面に「欧州歴訪へ 首相が出発 自由貿易で連携」の見出しで民進党蓮舫代表の写真の下に簡潔に報じていた。

5月下旬にイタリア・シチリアで開かれる主要国首脳会議(サミット)を見据え、自由貿易推進の立場を確認するため〜としている。

出発前、羽田空港で記者団に「北朝鮮自由貿易など、国際社会が直面する課題について連携していく」と強調した。〜としているが、他のページを見ても解説などもなく「国際社会が直面する課題」は日本にとってどのような影響があるのかとか、この記事の下の記事「日本の防衛力強化する必要」では、「我が国の安全保障上、極めて深刻な事態だ」としているのに、国会での議論は首相の動きとかけ離れている。

何か報道を抑えていることがあるのだろうか。