Cameraと散歩

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170906 傾国のスーチー

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変見自在 高山正之


  傾国のスーチー


「英領ビルマに侵攻した日本軍はやがてビルマを独立させたが、それは偽物の意味を込めた『金めっきの独立』と呼ばれた。日本軍は国軍・警察の指揮権を握ったままだったのだ」と先日の朝日新聞にあった。



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ミャンマーの歴史教科書の記述を引用したという五十嵐誠記者の記事はさらにこう続く。

憲兵隊が権力をふるい、国民は抑圧された。ファシスト日本を打倒する動きが広まった。アウンサンは連合軍の反撃で敗走する日本に反旗を翻した」

読んでいてふと村山談話を思い出す。

「日本は国策を誤ってアジア諸国を侵略し、植民地支配で人々に多大の苦痛と損害を与えました」というあれだ。

この記事はまさに村山談話通りに展開する。

日本がミャンマーを侵略し、圧制で苦しめて、ついにはアウンサンをして日本軍に楯突かせるところまで追い込んだという風に。



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ただし登場するのは日本とミャンマーだけ。

長い間そこを植民地支配した英国の影も出てこない。

で、この記事から少しズームバックしてみる。

英国は19世紀末、ここを征服するとインド人や支那人をどしどし送り込み、英植民地政府の下で金融やビジネスを仕切らせた。

モン、カチンなど山岳民族を山から下ろして軍と警察を任せた。

彼らが取り締まるのは最下層に落とされたこの国の本来の主人ビルマ人たちだった。



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「英国は仏教徒ビルマ族の国を一瞬にして多民族多宗教国家に作り変えた」と英国の歴史家ファーニバルが的確に表現している。

この植民地支配に抵抗し、ビルマ人の国を再興しようとしたのがアウンサンだった。

ビルマの英軍を追っ払った日本軍は彼の夢を実現させた。

植民地政府からインド人を追い出し、ビルマ人官吏を育てた。

山岳民族が仕切ってきた警察と治安部隊を解体し、ビルマ人の国軍を創って独立させた。

「金めっき」どころか金無垢の独立だった。



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よちよち歩き始めたアウンサンの「ビルマ国」は、すぐ連合国軍の反攻という壁にぶち当たる。

日本軍と行動を共にすれば潰される。

その辺を英側資料で見ると「アウンサンは英国の手先インド人を憎み、日本軍のインド解放戦(インパール作戦)への協力を拒んだ」(マウントパッテン卿『戦後処理』)。

「日本軍の敗勢が濃くなるとアウンサンはヒュー・シーグリム英軍少佐と通じてビルマ独立の保証と引き換えに日本軍を裏切ることを約束した」(ルイス・アレン『日本軍が銃を置いた日』)

小国が生き残るための知恵だった。

日本側もそれは理解し、彼の寝返りを特に咎めたことはなかった。



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それだけに日本をファシストと呼び、アウンサンを正義の人に仕立てる五十嵐の記事はほとんど犯罪行為だ。

戦後、ビルマ独立を認めた英国は「英国植民地統治に楯突いたアウンサン」だけは許さず、抹殺した。

英国はまたビルマ多民族国家化した後始末もしなかった。

ビルマ経済は華僑とインド人に握られたまま。

山に戻らない山岳民族も不満分子として居残った。



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アウンサンの遺志を継いで”異邦人”の処理に当たったのがネ・ウインとそれに連なる軍事政権だった。

彼が執った鎖国政策も経済活動を停滞させることで華僑が出ていくことを期待したものだった。

彼は新札発行と徳政令も頻繁に行った。

高利貸しインド人が嫌になって出ていくと思ってのことだ。

しかし成果はなく、異邦人は居残り、国は貧乏になっただけ。

「民族復興」を叫んできたビルマ人の間にも不満が噴出していった。



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そんな不満分子の先頭に立ったのが皮肉なことに民族主義者アウンサンの愛嬢スーチーだった。

今度の総選挙で勝った彼女は大統領より偉い最高指導者になると言っている。

しかし彼女は父が英国に殺されたことも知らない。

政治も外交も知らない。

そんな女に国民は国の舵取りを任せる。

一度どこかの植民地にされると国も人もここまで錯乱してしまう。




 

’15.11.26 の週刊新潮より

170831 DENON PMA-1500SE

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アンプが変わるとこうも音が変わるものか。
いつも聞いていたレコードがまるで違うレコードのように新鮮な音場を作り出す。

SONY TA-E555ESAは1991年発売、DENON PMA-1500SEは2010年の発売で20年近くも後に発売されている。
5年ひと昔と言っていたが4昔も違うのだから比較する方が無理か。



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ソニーのアンプは、骨太の音をゴリゴリ押し出す力強さがあった。
デンオンのアンプは、繊細な高域と広がりを持った低域で雰囲気を作る。
店長が”明るい音”と評したことが納得できる。



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アンプの面構えが、音を象徴的に表している。

ソニーは、黒い顔でいかにも重厚長大な雰囲気であった。

デンオンのアンプは、前面がシャンパンシルバーと呼ばれるような色の仕上げでシュワーっと弾けて広がるような感じである。



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リモコン操作を前提にしているのか、スイッチ類が今どの位置にあるのか分かりづらい。
正面からパイロットランプを見るようになっているようだ。

構えて聞くのではなく、BGM的に気楽に聞くようになっているようだ。

スーパーウーハーを入れると、低域も高域もピシッとして同じアンプかと思うくらいに引き締まるのだが、残念ながらとうとうBOSE AM-01IIは完全に壊れてしまったのだ。



170828 日経商法

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変見自在 高山正之

 日経商法


弘法大使が高野山密教道場を開いてから今年が1200年目に当たる。

一日、南海電車からケーブルカーに乗り換え、伽藍を巡り、奥の院を訪ねた。

細道の両側には戦国の英雄たちの墓標が並んで、さながら講談本の世界だった。

その日は当地で一二を競う宿坊のお世話になった。

応接の間には骨太の見事な筆になる般若心経の額がかかっていた。

落款は「登紀子」とあった。

聞けば、あの「日本と聞くと腐臭を覚える」とか言った加藤登紀子本人の筆だった。

その筆運びを見ると彼女も何とか真人間に戻ったことが判る。

宿坊の佇まいも素晴らしかった。

特に鬱蒼とした森を背景に千古を香らせる庭がいい。

外人には評判という足立美術館のそれとはゆかしさが違う。

宿坊もそれを意識してひところ外人客を入れましたと女将が語って、涙ぐんだ。

外人客に支那人が混じっていた。

早立ちした彼らを見送って部屋の片付けに行って「卒倒しました」。

トイレの中から客室の壁、床の間の掛け軸から夜具に至るまで人糞がべっとりと擦り付けられていた。

壁を塗り替え、布団はすべて焼却して、以後、支那人は「すべてお断りしています」とのことだった。



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この話は遠藤誉「卡子チャーズ」の一場面を思い出させる。

彼女の父は満州の新京で製薬会社をやっていた。

終戦後、八路パーロがこの近代都市になだれ込んできた。

支那人」の上に「共産党員」だ。

街はたちまち破壊され、廃墟になっていった。

彼女の家にもボロを着た八路が来て泊まっていった。

翌朝、彼らは歌人の服に勝手に着替え、食べ物をさらっていった。

彼らが寝た「緞子どんすの布団は大便で汚され、姉の琴もわざわざ壊していった」。

美しいものは汚さねば気が済まない民族性による。



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彼らは他にも特性を持つ。

一つが残忍さだ。

日本人は日清戦争で初めて彼らが捕虜を取らないことを知った。

彼らは日本兵を捕らえるとまず耳鼻を削ぎ、目をえぐり、男根を切って喉に押し込む。

そして手足を切断して殺した。

通州事件では220人の日本人居留民が殺された。

男は日本兵と同じやり方で殺され、女は一日犯されたあと局部に棒杭を突っ込まれていた。

性器損壊は漢民族の変わらぬ特性だ。



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そして彼ら民族の最も顕著な特性が「嘘に身分の上下はない」ことだ。

戦後、それをやったのが周恩来

被害者は全日空岡崎嘉平太だった。

彼は上海暮らしが長いのに、日支友好に明け暮れた。

本業の方は事故続き。

日本人は死なせてもとうとう角栄に国交を開かせた。

日本の不幸を生んだ岡崎に周は「井戸を掘った人を忘れない」と言った。

「落とし穴」の間違いだろう。

岡崎への褒美は1987年4月、彼の誕生日に全日空の北京乗り入れを認めてやったことだ。

歓迎式はあの人民大会堂でやった。

全日空はお土産に魔法瓶をお一人様1個配ったが、若き日の薄熙来ら高官は何回も列に並んで2個も3個も持って行った。

支那はそれほど貧しい時代だった。



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鄧小平も騙しは得意だった。

松下幸之助に泣き落としをかけ、工場進出を乞うた。

ひとたび製造技術が支那に持ち込まれれば後はいつでも何でも盗れる。

彼はこのときも周恩来の蒔いた「尖閣の嘘」に水をやるのを忘れなかった。

そして3年前。

尖閣に酔っ払い船長を出して騒ぎにし、松下の工場に片っ端から火を放った。

掘った井戸はもう埋めたという意味だ。

山東省の松下の工場は危険を感じて撤退を決めた。

出て行くなら身代金を払って行けと脅された。

人質だったことを初めて知った。



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支那のビルズベリーは「支那は嘘つきで性悪だ」と今ごろ書いている。

松下と岡崎以外の日本人は皆知っていることだ。

特にこの本を出版した日経は熟知していて「支那はとてもいい国だ」の嘘を流しては儲けてきた。

その支那も終わり。

もう去り時と読んで、では「この本で儲けよう」なんて少しあくどくないか。

’15.11.19 の週刊新潮より