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Cameraと散歩

since '140125

141117 慰安婦問題を考える 3つの論点

北海道新聞

P1010307
’14/11/17の北海道新聞 13面

慰安婦問題を考える

3つの論点
従軍慰安婦問題の主な三つの論点について、まとめた。

政府、軍の関与
政府は1992年1月の宮沢喜一首相の韓国訪問を前にした91年12月から、93年7月末にかけて、本格的な調査を行った。
その結果、「政府の関与があった」(92年7月6日)、「旧日本軍が直接あるいは間接に関与した」(93年8月4日)と発表した。
根拠にしたのは、慰安所の設置、管理、移送など全般にわたって、旧日本軍がかかわっていたことを示す各種資料と元慰安婦をはじめとする関係者たちの証言だった。
河野洋平官房長官談話(河野談話、93年8月)は、「(従軍慰安婦問題は)当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である」と位置づけた。
これに対し、戦地の慰安所は、民間業者が兵士らを相手に営業した売春施設だった、政府や軍の責任は問えない、と主張する人たちもいる。



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強制性
慰安婦募集の際の強制性は、大きな論議を呼んできた。
河野談話は「甘言、強圧による等、本人の意思に反して集められた事例が数多くあり、さらに官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった」とし、いわば「広義の強制性」を認めたと受け止められている。


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安倍晋三首相は今年10月の国会答弁で、談話の継承をあらためて表明した。
しかし、第一次安倍内閣は2007年3月、「政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかった」とする答弁書閣議決定し、今も「狭義の強制性」はなかったとの立場だ。


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第二次安倍内閣が今年6月に公表した河野談話の検証結果報告書では、河野官房長官が記者会見で、強制連行の事実があったとの認識なのかと質問され、「そういう事実があったと。結構です」と述べたことを指摘。
安倍首相は10月の衆議院予算委員会で、「(談話の)文書自体はそうではない」が、「河野官房長官が記者会見の中で、それを事実上お認めになったということであります」と述べ、河野長官単独で強制連行を認めたとの見方を示した。



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吉田証言
朝鮮人女性たちを慰安婦として強制連行したという、元山口県労務報国会下関支部動員部長を自称する故吉田清治氏の証言。
朝日新聞が8月、その証言記事を取り消したことから、強制連行はなかった、河野談話を見直すべきだ、という主張があらためて強まった。
菅義偉官房長官は10月の衆院予算委員会で、「吉田氏から聞き取り調査を行ったが、客観的事実と照らしてつじつまが合わなかった、他の証言と比較して、信用性が低かったことから、河野談話に反映されなかった」と述べた。
第二次安倍内閣は、吉田証言が談話の文言に反映されていない、との答弁書閣議決定した。


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吉田証言をめぐっては、現代史家秦郁彦氏が92年、調査に基づいて、その虚構性を月刊誌で指摘して以降、証言内容を紹介する報道が次第に姿を消していった。
国連人権委員会特別報告者のラディカ・クマラスワミ氏は、96年2月に公表した「戦時の軍事的性的奴隷制問題に関する報告書」で、吉田氏の著書の一部を引用。
あわせて、秦氏の主張も記した。


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日本政府は今年10月、吉田氏の部分を撤回するよう求めたが、クマラスワミ氏は「吉田証言は証拠の一つにすぎず、報告書の撤回や修正は必要ない」と拒否した。




“P1010318"
それで?