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'16/01/30 犠牲51万人 両陛下供花

‘16/01/30新聞記事から

犠牲51万人 両陛下供花
フィリピン 慰霊の旅 平和祈る


【カリラヤ【フィリピン】伴野昭人】フィリピンを公式訪問中の天皇、皇后両陛下は29日、ラグナ州カリラヤに日本政府が建立した「比島戦没者の碑」に花を供え、拝礼した。
全ての戦没者を悼みたいと「慰霊の旅」を続けてきた両陛下は、太平洋戦争中に海外で最も多い戦没者を出したフィリピンで平和を祈った。

両陛下はマニラから約65キロ離れたカリラヤへ海上保安庁のヘリコプターで向かった。
乗り継いだ車で現地時間の午前11時50分ごろ、慰霊碑のある場所に到着した。
天皇陛下は黒いスーツにネクタイ、皇后さまは青みがかった灰色のスーツ姿。
両陛下は慰霊碑の前へゆっくりと進み、日本から持ってきた白菊の花束を手向け、黙礼した。

日本から参列した遺族や戦禍を生き延びた元日本兵約150人が涙を流して見守った。
両陛下は約20分間、遺族や元兵士を「残念なことでしたね」「体に気を付けて」と慰めた。

両陛下は国内外で「慰霊の旅」を続けてきた。
海外での慰霊は戦後60年だった2005年のサイパン、戦後70年だった昨年のパラオ・ペリリューに次いで、カリラヤが3回目。

フィリピンでの日本人戦没者数は約51万8千人と太平洋戦争の戦域別で最多。
道内出身者は陸軍軍人だけで約6100人が戦死し、沖縄の約1万人、旧満州(現中国東北地方)を除く中国の約7600人などに次ぐ。
肉親が命を落とした現地に赴き、慰霊を重ねてきた道民も少なくない。

両陛下はこれに先立つ27日、戦死したフィリピン人兵士をまつる「無名戦士の墓」に供花した。
今回の訪問は国交正常化60周年に伴う国際親善が主な目的だが、4泊5日の日程中、2日間を日本とフィリピン双方の戦没者慰霊にあて、両陛下の意向が強く反映された。
戦後、苦難の道を歩んだ日系人にも会い、労をねぎらった。
両陛下は30日に帰国する。