Cameraと散歩

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160409 白人の溜飲

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白人の溜飲

日本について欧米の人たちが正直な感想を漏らすことはほとんどない。

経済学者ジャンピエール・レーマン
「欧州諸国は植民地を失い、おまけに使役までさせられた。その仕返しもしていない」
「でも米国はいい方だ。彼らは原爆を落として幾分その恨みを晴らしたから」
と言ったくらいか。


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「Two nukes just wasn’t enough(2発じゃ足りなかった)」と米国の田舎議員が口を滑らしたときも、そんな表現が米社会でけっこう膾炙されていて驚いたものだ。
その意味で元英誌特派員ヘンリー・ストークスの『連合国戦勝史観の虚妄』はすごい。
先の戦争で欧米がいかに強い衝撃を受けたかをごく正直に語っている。


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「白人文明世界で最大の栄華を極めた大英帝国が有色人種に滅ぼされるなど思考の限界を超えていた」

チャーチルが日本を口汚く罵った背景にはその悔しさと怒りがあった」

「英国はナポレオンやヒトラーの侵略を退けた。だが、その帝国の植民地が有色の日本人によって奪われ、有色人種が次々独立していったことは想像を絶する悔しさだった」

「アメリカは原爆を落とす必要はまったくなかった。生体実験のように人間の上に原爆を投下したのは『辱めを与える必要性』があったからだ。日本人を完膚なきまでに叩きのめさねばならなかった。正義は建前で、復讐せねばおさまらなかったのが本音だ」

「日本は白人の持ち物の植民地を侵略した。侵略が悪いのではなく、有色人種が白人さまの領地を侵略したから悪いのだ。白人が有色人種を侵略するのは『文明化』で、劣っている有色人種が白人を侵略するのは『犯罪』なのだ」

東京裁判は復讐劇であり、日本の正当性を認めることなど最初からありえなかった。認めれば自分たちの誤りを認めることになる。広島長崎の原爆や東京大空襲で民間人を大量虐殺した罪を明らかにされてはならなかった。それが連合国の立場だった」


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「植民地を搾取することで栄えた白人世界」はその植民地を失って貧乏国になり下がったが、それ以上に「白人世界には戦後も一貫して日本への憤りが蔓延していた。怨念もあった」。

それは「日本軍はこの世の現実とは思えないほど強かったことだ」。
彼は戦艦「プリンス・オブ・ウエールズ」をその例に挙げている。

この戦艦が生まれるきっかけは日本海海戦だった。
東郷艦隊は世界の常識を覆して装甲された軍艦を砲撃だけで20隻も沈めた。
英観戦武官 ぺケナムは帰国してすぐ日本の戦艦に負けない戦艦「ドレッドノート」をつくり、10年後にはもう一回り頑丈な超弩級をつくり、さらに無敵の超々弩級として「プリンス・オブ・ウエールズ」を生み出した。


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それを日本は予想もしない航空機攻撃で沈めてしまった。
「この世のものとは思えない」強敵だった。

陸上でも同じ。
英国は香港の九龍の奥に堅固な要塞を築き、マレーにもいくつもの要塞を置いていんど兵や獰猛なグルカ兵を密林に潜ませた。
そのどれもが軍事常識では3か月は持つ堅塁だったが、日本軍はそれをたった1日で落としてしまった。


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そんな強い敵と過去に戦ったことはなかった。

英国の国立陸軍博物館がナポレオンとの戦いや第一次、第二次大戦の陸上戦のうち、何が歴史的、政治的に重要だったかのアンケート調査を行った。
110人の投票者はノルマンディ上陸(27票)ワーテルローの戦い(24票)を大きく引き離す54票でインパールの戦いを選んだ。


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理由は一つ。
「どの白人国も勝てなかった日本軍を英軍が破った」から。
白人世界の恨みの深さを知らされる結果だった。

朴槿恵が20万人性奴隷の嘘を並べる。
見え透いた嘘だが、日本軍の品の良さは戦った白人がよく知っている。
朴の嘘も知っているがなんで日本の肩をもつ必要があるのか。

日本が悔しがるなら、それも一興と彼らは考える。


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週刊新潮第59巻第26号 高山正之 変見自在から





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