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160501 「原発避難民」の心を荒廃させた「補償金」ジャブジャブの日常 1-2

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「石原環境相」の暴言を嗤えない!

原発避難民」の心を荒廃させた「補償金」ジャブジャブの日常
 1-2

震災から40ヶ月が経った今なお、8万人の原発避難民が不自由な生活を余儀なくされている。
しかも、そこでは受け入れ側の住民との間に軋轢も生じているという。
石原伸晃環境相の暴言を嗤えないほどに湯水の如くジャブジャブと注ぎ込んだ補償金が原因なのだ。


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「最後は金目でしょう」と暴言を吐いた石原環境相は政治家として失格以外の何ものでもないとしても、ある意味、原発避難民を受け入れている地元住民の本音を表していると言えなくもないのである。
というのは、東京電力から支払われる賠償金を巡って、原発避難民と地元住民の間では抜き差しならぬ確執が生まれているのだ。


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福島県いわき市は、東北地方でも温暖な気候で知られ、約33万人の人口を抱える福島県第二の中核都市。
震災後、約2万4,000人の原発避難民を受け入れている。
そこの仮設住宅に暮らす、楢葉町からの原発避難民はこう話す。
「敷地のあちこちに防犯カメラが設置されています。1年半くらい前、何者かに窓ガラスを割られたり、ペンキをかけられたりして、車7台が破損したからです。ロケット花火も何度か打ち込まれましたし、住民が大切に育てていた植木を引き抜かれたこともありました。なので、今では警備員が常駐し、週に1回は警察官も警戒にあたっているのです」
それだけではない。
同じ時期には、市役所をはじめ公共施設3カ所の柱などに黒いスプレーで書かれた”被災者帰れ”という落書きも見つかった。
原発避難民に対し、憎悪の感情が剥き出しでぶつけられている。


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「もちろん、最初は避難民の方に同情していました。ですが、月々10万円を東電から貰えるうえに、震災前の収入も補償されているわけですよね」
と、不満そうに語るのは、ある主婦だ。
「それをあてにして働きもせず、昼間からパチンコ屋や競輪に入り浸っているのはいかがあものかと。それに、ヘンな特権意識があるのか横柄な態度を取る人もいます。スーパーに買い物に行ったときに、年配の女性がレジの順番待ちの列を無視して横入りし、店員に注意されていました。すると、その女性は、”私は被災者よ! なぜ、やさしくできないの!”と怒鳴り始めたのです」
”弱者”であることを武器にするような態度を度々目の当たりにし、いわき市民は原発被害者に少なからず反感を持つようになったという。


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そもそも、原発避難民には東京電力からどのぐらいの補償金が支払われているのだろうか。
まず、2011年10月から、赤ちゃんからお年寄りまで、1人当たり月10万円あるいは12万円の精神的損害賠償が払われている。
金額の違いは、プライバシーの確保ができているかどうか。
例えば体育館などの集団避難所の場合は12万円になる。
加えて、就労不能損害賠償という枠組みも決められ、震災前の収入は自己申告すると全額補償。だからこそ、避難先であらたな職に就こうともせず、遊んで暮らす原発避難民が後を絶たないのだ。



’14.7.31週刊新潮から抜粋