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Cameraと散歩

since '140125

160608 転んでいいとも

変見自在

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変見自在 高山正行

転んでいいとも


戦前、白人たちはインドからこっち仏印、香港に至るまで支配し、民と資源を力ずくで搾取してきた。
仏印では民が自由を求めると戦闘機を飛ばして機銃掃射を浴びせた。
フィリピンでは米軍が独立を叫ぶ者を捕え、泥水を5ガロンも飲ませて殺した。
白人の専横は日本にも向かい、それにあらがうと一方的に経済制裁を科してきた。


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マッカーサーが後に議会証言したように日本は自衛のために立ち、併せてアジアの開放も目指した。
しかし日本軍が行く先々に白人の姿はなく、代わりに現地民がご主人様のために戦わせられていた。
彼らを追い払った先にやっと白人がいたが、彼らはもう白旗を握っていた。
彼らは負けたのに彼らの本国はそれを認めず、戦争を長引かせた。
資源小国の日本が付き合うには戦争期間は余りに長すぎ、戦う白人国家は余りに多すぎ、大きすぎた。


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朝日新聞は敗戦の1週間後に社説で戦争責任に触れた。
負けたけれど誰が悪いわけではない。
臣民はベストを尽くした。
戦争責任は「特定の人々に帰すべきではなく、1億国民がともに負うべきものだ」と。
鳩山一郎の一文も載せた。
「米国は原爆を投下して無辜の人々を殺傷した。それは病院船攻撃や毒ガス使用以上の明らかな戦争犯罪だ。米国人は自ら罹災地の惨状を見て、責任を自覚すべきだ」(9月15日付)
さらにGHQが「日本軍はマニラで何万もの市民を火攻め水攻めで殺し、赤ん坊を放り上げて銃剣で刺し殺した」と告発したことに「余りに荒唐無稽。きちんと検証すべきだ」(9月17日付)と反論した。
日本軍が虐殺したという時期は米軍がマニラを無差別爆撃した10日間と重なる。
でも「市民はみな日本軍に殺された。悪いのは日本人だ」と言うのだ。


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「日本軍はバターン半島から収容所まで捕虜を徹夜で何日も歩かせる死の行進をやった」とも非難した。
収容所までの距離は120キロ。
半分は貨車輸送で、残る60キロをコーヒーブレーク、海水浴つきで3日で歩いた。
徹夜で歩かせたら貨車にも乗らずにたった1日で着いてしまう。


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朝日はいい指摘をしたがGHQは嘘がばれて照れ笑いするわけもない。
朝日の幹部を呼び出し、2日間の発禁を言い渡した。
またやれば廃刊にすると。
面白い、やってもらおうかと日本人なら言う。
でも朝日人は違った。
発禁明けの日、この新聞は社説で改めて、戦争責任を論じ、物資も工業力も日米には大差があった、負けを承知で「国民を戦争の渦中に投じた我が国指導者の責任は糾明されるべきだ」とやった。
東條英樹らが悪いのだと。
見事なまでの転び方だった。


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日本人は上から下まで一宇の同胞意識を持つ。
それでは支配しにくいからインド人をイスラムとヒンズーで対立させたように分割統治できるネタがいる。
で、思いついたのが「国民」とその国民を「戦争の災禍に投げ込んだ軍国主義者」という色分けだ。
この形にすれば本来は米国が問われる原爆投下の責任を無謀な戦争をした東條らに転嫁できる。
GHQは朝日にこの分割統治と転嫁作業をやらせた。
くだんの社説に始まり、朝日は「支那や南方での日本軍の蛮行」をどしどしでっち上げていった。


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一方で「いい白人たち」も宣伝した。
京都や奈良に空襲被害はなかった。
京都が原爆投下候補地で、奈良は過疎すぎだから通常爆弾による空襲はなかった、が正解だ。
GHQはそれを「ラングドン・ウォーナーの文化財保護勧告を受けて空襲をやめた」ことにして、古都をまもったいい米国という嘘を朝日に書かせた。
おかげで分割統治はうまくいき、東条の孫娘由布子も100人斬りの向井少佐の娘千恵子も「国民」に罵られ、石もて追われた。


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いま慰安婦の嘘を書いた植村隆が石もて追われている。
朝日は「ひどい」とか被害者ぶる。
それが嫌なら一度転んだ身だ、もう一度転べばいい。

 

’14/11/27 週刊新潮より