Cameraと散歩

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161021 報道の自由

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'16/10/15の朝刊

北方領土 日米安保適用外に 返還後想定 ロシアが要求

日ロ両政府が進めている平和条約締結交渉で、ロシア側が北方領土の島を引き渡すことで合意した場合、引き渡し対象となる島を日米安全保障条約の適用地域から除外するよう日本に求めていることが分かった。

日ソ両国が国交回復について締結した1956年の日ソ共同宣言では、平和条約締結後の歯舞、色丹両島の引き渡しが明記されたが、日本が60年に日米安保条約を改定し米国との同盟を強化すると、ロシア側は2島引き渡しの新たな条件として「日本領土からの全外国軍隊の撤退」を一方的に宣言した。

プーチン大統領は日ソ共同宣言を重視する姿勢を示しており、今回のロシア側の要求は歯舞、色丹両島を念頭に置いたものとみられる。

〜と、書いている。



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16/10/17の朝刊

北方領土世論調査 道内「2島先行」49% ロシア「返還不要」68%

北海道新聞社は9月下旬、道内とロシア全土で世論調査を行った。北方領土問題の解決策について、道内は「まず歯舞、色丹の2島を返還し、残り2島の協議を続けるべきだ」(2島先行返還)が49%と約半数に達し、「4島を返還すべきだ」の22%を上回った。
ロシアは「1島も返還する必要はない」が68%で、意識の差が改めて浮き彫りになった。

道内の調査では「2島返還で決着すべきだ」は9%にとどまっており今後、歯舞、色丹両島の返還で合意したとしても国後、択捉両島を巡る交渉の継続が確保されない場合は批判が強まりそうだ。

〜としている。

ーが、
ほかの解決策は、道内は「4島を日ロで共同統治すべきだ」が15%、「(択捉を除く)3島返還で決着させるべきだ」が3%、「1島も返還する必要はない」は1%。
ロシアでは、共同統治が12%、2島返還決着が7%、2島先行返還が6%、3島返還決着が4%、4島返還が2%だった。

自国の政府が北方領土問題にどう取り組むべきかについて、道内は日本政府が「ある程度は妥協しても、交渉を前進させるべきだ」が54%で最多。
「思い切った妥協をしてでも、早期に決着させるべきだ」(14%)、「ある程度の妥協は必要だが、解決を急ぐ必要はない」(13%)と合わせ、領土問題の進展に向けて何らかの妥協が必要だと考える「妥協容認派」は計81%を占めた。
「一切妥協すべきではない」は17%だった。

一方、ロシアでは、政府が「一切妥協すべきてはない」が58%で最も多く、「ある程度は妥協しても、交渉を前進させるべきだ」が23%、「ある程度の妥協は必要だが、解決を急ぐ必要はない」が15%で続いた。



「2島決着」は道民否定的

<解説>
北海道新聞社が道内とロシアで実施した世論調査で、道内の約半数が北方領土問題の解決策として「2島先行返還」を支持した背景には、戦後71年を経ても「4島返還」実現への道筋が見えない閉塞感がある。
ただ「2島返還で決着」は1割に満たず、大多数の道民は最終的に4島返還を目指すべきだとの立場を変えてはいない。
安倍政権が功を焦り、安易な妥協を図れば、元島民や道民に落胆が広がるのは必至だ。 と。




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'16/10/18の朝刊

根室管内「妥協」容認88% 領土交渉 全道を7ポイント上回る 世論調査

北海道新聞社は9月下旬に全道と、根室管内1市4町の有権者を対象に世論調査を行なった。
政府が北方領土問題にどう取り組むべきかに関して、領土問題の進展に向けて何らかの妥協が必要だと考える「妥協容認派」は、根室管内で合計88%と全道の81%を7ポイント上回った。
元島民が多く北方領土に隣接する根室管内では、交渉進展を望む声が全道より一層強いことが改めて浮き彫りになった。

妥協容認派に関しては、「ある程度は妥協しても、交渉を前進させるべきだ」が根室は60%で全道を6ポイント上回った。
「ある程度の妥協は必要だが、解決を急ぐ必要はない」は根室が17%で全道は13%、「思い切った妥協をしてでも、早期に決着させるべきだ」は根室が11%で全道14%だった。

北方領土問題の解決策を巡っては「まず歯舞、色丹の2島を返還し、残り2島の協議を続ける」(2島先行返還)は根室と全道で同じ49%だったが、「4島を返還すべきだ」は根室が19%で全道の22%より3ポイント低かった。
「2島返還で決着すべきだ」は根室が14%で、全道より5ポイント高かった。

4島との経済交流は、「ロシアの主権を認めることにならない枠組みを作り、進めるべきだ」が根室は63%と全道より9ポイント高かったが、「ロシアの主権を認める形でも進めるべきだ」は22%で5ポイント低かった。

〜としている。


世論調査の実施とそれに基づくとされる数値の報道、調査の質問の設定、日本国としての考え方と元島民が多く住んでいる地域の住民の気持ち。
双方に配慮した記事のようになっているが、読んだ人の受け取り方はどうだろうか。
ロシアとしては、日本側の希望を知ることができ交渉を組み立てることができる良い資料である。