Cameraと散歩

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181206 脳にダメージを与える生活環境

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脳にダメージを与える生活環境

阿川 結婚というものが幸福感を生み出すというお話でしたが、母性本能とか、育成意欲とかいうものが退化しているということはあるでしょうか。

澤口 あります。

阿川 子どもを産んで、産んだ子どもに対する愛情がわかない人が増えているのかなあ。
母性本能というのは、どんな女にも生まれるというふうに、私たちの世代は思っていました。
「こんな不良でも、子どもが生まれたら、ちゃんとお母ちゃんになるんだよねえ」みたいな感じがあったんですけれども、それを疑ってしまうような悲惨な事件が多発していますよね。
これはもはや、人間が変わってきたのだろうかと思いたくなる。



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澤口  ええ。これは大きな問題になっていて、実際問題として脳は変わりますけれども、進化的なレベルで簡単に数十年、数百年で脳が変わることはありません。
ここ二、三万年はわれわれの脳は変わっていないはずなんです、そんなにドラスティックには。
しかし、変わってきていると疑いたくなることが多いのも事実です。
確実にいえることは、環境が変わったということです。
われわれが問題視しているのは、大きく2つあります。
環境ホルモンと食生活です。
現代は脳にダメージを与える生活環境になってきてしまっているといえます。



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阿川 環境ホルモンと食生活…………。
澤口 たとえば、亜鉛は体に非常に重要な物質で、脳にとっても重要なんです。
インスタント食品の中にはフィチンという物質が含まれていることがあって、体が亜鉛を吸収するの妨げてしまいます。
そうすると、脳の中の亜鉛が少なくなるので、犯罪行為を犯しやすくなります。
インスタント食品がこんなに出回っていたら、亜鉛不足が深刻になるでしょう。
また、亜鉛が不足すると精子の数も減ります。
だから、環境ホルモン精子が減ったといわれていますが、じつはインスタント食品とか、普通の食生活でもかなり影響を受けているんですよ。
実際、子どもが生まれなくなっていますよね。
それは男性の精子の数が少なくなってきているからです。



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阿川 精神的な要因だけではないんですね。

澤口 ええ。精子の数が少ないと、妊娠させることができません。
今、もともと妊娠させられないような男性が増えてきています。

それと、女性がきちんとした排卵をしないということもあります。
排卵しない理由に内分泌撹乱物質環境ホルモンの影響があったりします。



『モテたい脳、モテない脳 (澤口俊之、阿川佐和子著)』より抜粋