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190704 韓国、WTO提訴へ着手  「日本の措置は輸出統制」

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’19/07/04付北海道新聞朝刊7面の記事

韓国、WTO提訴へ着手
「日本の措置は輸出統制」


【ソウル共同】日本政府による韓国向け輸出規制強化の決定を受け、韓国政府は3日までに、世界貿易機関WTO)への提訴に向けた法律的な検討に本格着手した。
通商当局関係者は「日本の措置はWTOが厳しく禁じる輸出統制に該当する」と主張した。
聯合ニュースが伝えた。




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康京和外相は3日、「日本の措置は不合理で、常識に反する報復措置だと考えている」と述べ、改めて反発した。

また、韓国政府が半導体の材料や部品、設備の開発に毎年1兆ウォン(約920億円)規模を集中投資する方針であることが3日分かった。
韓国の与党幹部が明らかにした。
国産化を急ぐ狙いとみられる。
韓国政府は今月中に詳細な対策を正式に発表する予定。




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3日の韓国各紙は日本が対象品目を拡大することを警戒する論調が目立った。
朝鮮日報は、半導体に続く2位の輸出品である自動車も日本の技術なしには電気自動車(EV)や自動運転車を製造することは困難で、スマートフォンのタッチパネルの技術も日本に依存していると指摘した。

中央日報は社説で「いくら隣国が不満でも平和に共存しなければならないのがあらゆる国家の運命だ」と主張。
「日本はすぐに報復措置をやめ、韓日両国は(懸案の)元徴用工問題を賢明に対話で解決するため膝を突き合わせるべきだ」と訴えた。




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反自由貿易の批判当たらず   中部大の細川昌彦特任教授の話
今回の決定は政府の許可の基準は変わっておらず、事実上の禁輸というのは言い過ぎだ。

経済産業省で貿易管理の責任者を務めた経験では、与えていた優遇措置を取りやめて厳格に運用するという原則に戻るだけだ。

インドやインドネシアといった他の国と同様の扱いで、自由貿易に反するとの批判も当たらない。

例えば軍事転用や他国への横流しといった後ろめたいことがない韓国企業の実害は小さいだろう。

このタイミングでの政府決定の背景には元徴用工問題などによる日韓関係の悪化がある。

韓国は貿易管理の徹底に関する協議に応じていないとみられ、今回の厳格化につながった。

理由がないのに優遇措置を続けていれば国際社会から日本の責任を問われる虞がある。

政府は法に基づいて淡々と貿易管理を進めるべきだ。




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日本経済も少なからず影響   大東文化大の高安雄一教授(韓国経済)の話
半導体は韓国の製造業の柱で、今回の規制強化で日本からの部品が制限されれば韓国経済にとっては大きな打撃となる。

韓国は輸入先を日本から他国に代えるかもしれず、日本経済にとっても少なからず悪影響となる。

韓国が輸出していた製品の供給が今回の措置で細れば、日本は国際社会から批判を受けるリスクがあり、危ない橋を渡っていると感じる。

やむを得ない外交上の理由があった上での決断とみられるが、双方にとって利益はなく、政府は別の手段を取ることを考えるべきだった。

これを機に、韓国は産業構造の転換を模索するかもしれないが、歴史的に財閥中心で、部品製造に強い中堅中小を育成するには時間がかかるだろう。

経済面で両国の関係は相当こじれた印象だ。



190804-190704-2韓国WTO提訴へ