Cameraと散歩

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140208 村上春樹氏の小説表現を批判

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’14/02/06の朝刊記事

村上春樹氏小説「たばこポイ捨て」記述に質問状

月刊誌「文芸春秋」が昨年12月号に掲載した作家村上春樹氏の短編小説「ドライブ・マイ・カー」に、女性が火の付いたタバコを車の窓から投げ捨てる場面で、主人公の感想として「たぶん中頓別町ではみんなが普通にやっていることなのだろう」と記されていることに宮崎泰宗町議(30)らが反発。
「町民には屈辱的だ、町名を載せた理由をただす」などとして文芸春秋に質問状を内容証明郵便で発送する。

 

’14/02/08の朝刊記事

村上春樹氏表現への批判受け町名変更へ

月刊誌「文芸春秋」が昨年12月号に掲載した作家村上春樹氏の短編小説「ドライブ・マイ・カー」の記述をめぐり、宗谷管内中頓別町の町議有志が「屈辱的だ」などと批判したことについて、村上氏は7日、文芸春秋を通じ「心苦しく残念。単行本にするときには別の名前に変えたい」との見解を発表した。

7日に文芸春秋に質問状を送っていた共同代表者の東海林繁幸町議(75)は「高名な作家が素早い反応で謝罪とも取れる発言をしたことに驚き、高く評価しています。これで住民が納得できればよい」と話している。

文芸春秋は、質問状はまだ届いていないとし「小説作品であり、作者の表現を尊重し支持する」としている。

 

村上春樹氏は、 「北海道という土地が好きで何度も訪れ、小説の舞台としても何度も使ってきた。 サロマ湖ウルトラ・マラソンも走り今回も親近感をもって書いたつもりだが、そこに住んでいる人々を不快な気持ちにさせたのならまことに心苦しく残念なことだ。 中頓別町という名前の響きが昔から好きで今回使ったが、これ以上の迷惑をかけないよう、単行本にするときは別の名前に変えたい。」 としている。

この報道に、表現の自由を支持する新聞文化人としての立ち位置が伝わってこないのは残念なことだ。
単行本にするときに、町の名前が浜頓別町とか西興部村とかになると考えられるか。
そうしたら、またこの種の批判が出ることは当然考えることだろう。
村上氏が、また北海道へ行きたいと思ったら気まずくなるような種は蒔くまい。
結果として、この種の作品を書けなくなることで作家の創作範囲を狭めることになるのではないか。