Cameraと散歩

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’14/08/05の朝日新聞1面の署名記事 2-3

PB043023
’14/08/05の朝日新聞1面の署名記事 2

慰安婦問題に光が当たり始めた90年代初め、研究は進んでいませんでした。
私たちは元慰安婦の証言や少ない資料をもとに記事を書き続けました。
そうして報じたの記事の一部に、事実関係の誤りがあったことがわかりました。
問題の全体像がわからない段階で起きた誤りですが、裏付け取材が不十分だった点は反省します。
似たような誤りは当時、国内の他のメディアや韓国メディアの記事にもありました。


PB043027
こうした一部の不正確な報道が、慰安婦問題の理解を混乱させている、との指摘もあります。
しかし、そのことを理由とした「慰安婦問題は捏造」という主張や「元慰安婦に謝る理由はない」といった議論には決して同意できません。


PB043028
被害者を「売春婦」などとおとしめることで自国の名誉を守ろうとする一部の論調が、日韓両国のナショナリズムを刺激し、問題をこじらせる原因を作っているからです。
見たくない過去から目を背け、感情的対立をあおる内向きの言論が広がっていることを危惧します。
戦時中、日本軍兵士らの性の相手を強いられた女性がいた事実を消すことはできません。
慰安婦として自由を奪われ、女性としての尊厳を踏みにじられたことが問題の本質なのです。


PB043030
90年代、ボスニア紛争での民兵による強姦ごうかん事件に国際社会の注目が集まりました。
戦時下での女性に対する性暴力をどう考えるかということは、今では国際的に女性の人権問題という文脈でとらえられています。
慰安婦問題はこうした今日的なテーマにもつながるのです。


PB043031


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