'14/08/05の朝日新聞 「済州島で連行」証言 1-2
疑問 日本の植民地だった朝鮮で戦争中、慰安婦にするため女性を暴力を使って無理やり連れ出したと著書や集会で証言した男性がいました。
朝日新聞は80年代から90年代初めに記事で男性を取り上げましたが、証言は虚偽という指摘があります。
裏付け得られず虚偽と判断
男性は吉田清治氏。
著書などでは日雇い労働者らを統制する組織である山口県労務報国会下関支部で動員部長をしていたと語っていた。
朝日新聞は吉田氏について確認できただけで16回、記事にした。
初掲載は82年9月2日の大阪本社版朝刊社会面。
大阪市内での講演内容として「済州島で200人の若い朝鮮人女性を『狩り出した』」と報じた。
執筆した大阪社会部の記者(66)は「講演での話の内容は具体的かつ詳細で全く疑わなかった」と話す。
90年代初め、他の新聞社も集会などで証言する吉田氏を記事で取り上げていた。
92年4月30日、産経新聞は朝刊で、秦郁彦氏による済州島での調査結果を元に証言に疑問を投げかける記事を掲載。
週刊誌も「『創作』の疑い」と報じ始めた。
東京社会部の記者(53)は産經新聞の記事の掲載直後、デスクの指示で吉田氏に会い、裏付けのための関係者の紹介やデータ提供を要請したが拒まれたという。
97年3月31日の特集記事のための取材の際、吉田氏は東京社会部記者(57)との面会を拒否。
虚偽ではないかという報道があることを電話で問うと「体験をそのまま書いた」と答えた。
済州島でも取材し裏付けは得られなかったが、吉田氏の証言が虚偽だという確証がなかったため、「真偽は確認できない」と表記した。
その後、朝日新聞は吉田氏を取り上げていない。
しかし、自民党の安倍晋三総裁が2012年11月の日本記者クラブ主催の党首討論会で「朝日新聞の誤報による吉田清治という詐欺師のような男がつくった本がまるで事実かのように日本中に伝わって問題が大きくなった」と発言。
一部の新聞や雑誌が朝日新聞批判を繰り返している。
'14/08/05の朝日新聞 「済州島で連行」証言 1-2