’14/08/05の朝日新聞 読者の疑問に答えます
他紙の報道は 1-2
他の新聞社は慰安婦問題をどう報じてきたのか。
国立国会図書館に所蔵されているマイクロフィルムや記事を検索できる各社のデータベースなどを参考に、特に1980年代後半以降の読売新聞、毎日新聞、産経新聞の記事を調べた。
論点は、朝日新聞が今回の特集で点検の対象とした、吉田清治氏(故人)をどう報じたか▽「慰安婦」と「女子挺身隊」を混同したか▽慰安婦問題を封じる際、「強制連行」という言葉を使ったかーーの3点。
韓国・済州島での「慰安婦狩り」を証言していた吉田氏。
同氏を取り上げた朝日新聞の過去の報道を批判してきた産経新聞は、大阪本社版の夕刊で1993年に「人権考」と題した連載で、吉田氏を大きく取り上げた。
連載のテーマは、「最大の人権侵害である戦争を、『証言者たち』とともに考え、問い直す」というものだ。
同年9月1日の紙面で、「加害 終わらぬ謝罪行脚」の見出しで、吉田氏が元慰安婦の金学順さんに謝罪している写真を掲載。
「韓国・済州島で約千人以上の女性を従軍慰安婦に連行したことを明らかにした『証言者』」だと紹介。
「(証言の)信ぴょう性に疑問をとなえる声があがり始めた」としつつも、「被害証言がなくとも、それで強制連行がなかったともいえない。吉田さんが、証言者として重要なかぎを握っていることは確かだ」と報じた。
この連載は、関西を拠点とした優れた報道に与えられる「第1回坂田記念ジャーナリズム賞」を受賞。
94年には解放出版社から書籍化されている。
読売新聞も92年8月15日の夕刊で吉田氏を取り上げている。
「慰安婦問題がテーマ 『戦争犠牲者』考える集会」との見出しの記事。 「山口県労務報国会下関支部の動員部長だった吉田清治さん」が、「『病院の洗濯や炊事など雑役婦の仕事で、いい給料になる』と言って、百人の朝鮮人女性を海南島に連行したことなどを話した」などと伝えている。
毎日新聞も吉田氏が92年8月に謝罪のために訪韓した様子を同年8月12日と13日の朝刊でそれぞれ報じた。
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