Cameraと散歩

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140912 無理にニュースに仕立てた印象

PB263112
140912 無理にニュースに仕立てた印象

政府事故調委員・吉岡斉氏



朝日新聞の吉田調書に関する報道について、これまで見た限りでは、新しい情報は見あたらなかった。
相当無理をしてニュースに仕立てているような印象だった。
「命令違反」とまでは言えないとも思っていた。
あまりおもしろい視点はなく、むしろ欠乏感さえ感じていた。


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そもそも吉田所長自身、事故時は全体状況を完全に把握しないまま対応していたと思っている。
その話に真実が不足するのは当然だろう。


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どこまでの命令が出ていたかもあいまいだし、地獄のような現場で、できるだけ遠くに逃げるという判断は正しかったと思う。
ただ、朝日新聞が今回、「命令違反で撤退」の指摘を誤りと認めたことは、ある程度、評価はしたい


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現地調査の時に、吉田所長に短時間だがお会いしたが、聴取は小部屋のようなところで人数も制約されていた。
参加できる委員は相当限られていたこともあり、私自身は吉田所長の聴取に参加していない。


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政府が、吉田町書をはじめほかの調書を公開したことについては、事故から3年半たったとはいえ、喜ばしい。
本来は、聴取時点で「事故調の報告書公開後は、調書を公開してよい」と同意をもらっておき、一気に公開した方が望ましかった。
今後、ほかの証言も次々に公開されるのが切に望まれる。


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聴取対象者は東京電力関係者や役所の人が多かった。
そうした人たちが今後どの程度、調書の公開に同意するかによって、関係者の歴史への責任感を示す物差しともなる。


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政府事故調は時間もマンパワーも限られた中での調査だった。
聴取にしても、多くても対象者一人当たり2、3回しか時間がかけられず、詰め切れないところは多かった。


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今後は常設の事故調査組織を国会か政府につくって、いままでの資料や証言をそこに統合し、さらに新しい資料や証言を積み上げていくべきだ。
特に原子炉建屋内の調査は重要だ。


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