140702 集団的自衛権に関する首相会見 (全文) 1-4 北海道新聞
’14/07/02 集団的自衛権に関する首相会見 (全文) 1-4 北海道新聞
集団的自衛権の行使を容認する閣議決定に関する安倍晋三首相の記者会見の発言は次の通り。
いかなる事態にあっても国民の命と平和な暮らしは守り抜いていく。
内閣総理大臣である私には、その大きな責任がある。
その覚悟の下、本日、新しい安全保障法制の整備のための基本方針を閣議決定した。
自民党、公明党の連立与党が濃密な協議を積み重ねてきた結果だ。
協議に携わった全ての方々の高い使命感と責任感に心から敬意を表する次第だ。
集団的自衛権が現行憲法の下で認められるのか。
そうした抽象的、観念的な議論ではない。
現実に起こり得る事態において、国民の命と平和な暮らしを守るため、現行憲法の下で何をなすべきかという議論だ。
例えば、海外で突然紛争が発生し、そこから逃げようとする日本人を、同盟国であり、能力を有する米国が救助輸送している時、日本近海において攻撃を受けるかもしれない。
わが国自身への攻撃ではない。
しかし、それでも日本人の命を守るため、自衛隊が米国の船を守る。
それをできるようにするのが今回の閣議決定だ。
人々の幸せを願ってつくられた日本国憲法が、こうした時に国民の命を守る責任を放棄せよと言っているとは、私にはどうしても思えない。
この思いを与党の皆さんと共有し、決定した。
ただし、仮にそうした行動を取る場合であっても、それは他に手段がない時に限られ、かつ必要最小限度でなければならない。
現行の憲法解釈の基本的考え方は今回の閣議決定においても何ら変わることはない。
海外派兵は、一般に許されないという従来の原則も全く変わらない。
自衛隊がかつての湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことは、これからも決してない。