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’16/01/28 の新聞記事 天皇陛下、フィリピン訪問

’16/01/28 の新聞記事 天皇陛下、フィリピン訪問

甚大な戦禍「深く心に」
天皇陛下、犠牲者悼む


【マニラ伴野昭人】フィリピンを公式訪問中の天皇、皇后両陛下は27日夜、大統領府があるマラカニアン宮殿で開かれたアキノ大統領主催の晩餐会に出席した。
天皇陛下はあいさつで、太平洋戦争で多くのフィリピン人が犠牲になっことに言及し「日本人が決して忘れてはならなことであり、私どもはこのことを深く心に置き、旅の日々を過ごすつもりでいます」と述べ、戦争の記憶を世代を超えて継承し、歴史に向き合う大切さをあらためて強調した。


慰霊碑に拝礼も

晩餐会の冒頭、アキノ大統領は「両国の歴史に影を落とした時期に他者が下した決断の重みを、両陛下が背負ってこなければならなかったことに畏敬の念を抱きます。平和を実現する象徴たる両陛下の臨席を心から名誉に思います」とスピーチした。

続いて陛下があいさつし、日本との国交正常化60周年に当たって同国を54年ぶりに皇后さまと再訪したことを「深い喜びと感慨を覚えるものであります」と述べた。
その上で「先の大戦が終わって70年の年を迎えました。この戦争においては、貴国の国内において日米両国間の熾烈しれつな戦闘が行われ、このことにより貴国の多くの人が命を失い、傷つきました」と話した。

最後に陛下は「このたびの私どもの訪問が、両国国民の相互理解と友好の絆を一層強めること」を深く願っているとし、乾杯した。

晩餐会には約200人が出席し、皇后さまはアキノ大統領に、東日本大震災での支援に感謝の言葉を述べるなどした。 晩餐会は当初、1時間半の予定だったが2時間を超えて終了した。

両陛下は晩餐会に先立ち、マニラにある太平洋戦争で戦死したフィリピン人兵士をまつる「無名戦士の墓」を訪れた。
慰霊碑の前へゆっくりと歩み、白い花輪をささげて拝礼。
礼砲とともに鎮魂のラッパが響くと、両陛下に合わせて参列者も黙祷した。
両陛下は2分近く頭を下げ続けた。

無名戦士の墓は多くの戦死者を追悼するため、フィリピン政府が1947年に建てた。
今回、すべての戦没者を慰霊したいとする天皇陛下の意向で日程に組み込まれた。
29日にはマニラ郊外の日本政府が建てた「比島戦没者の碑」に足を運び、日本人戦没者を追悼する。




日本とフィリピン
太平洋戦争で日米が攻防を繰り広げたフィリピンでは約51万8千人の日本人が死亡し、フィリピン人も戦闘の巻き添えや日本兵による虐殺・・
(傍点ブログ管理者)などで約110万人が犠牲になったとされる。
フィリピンは終戦翌年に独立すると,1953年に当時のキリノ大統領が日本人戦犯全員を恩赦し、56年に日本と国交回復。
62年には皇太子ご夫妻時代の天皇、皇后両陛下が昭和天皇の名代としてフィリピンを訪れたほか、日本もフィリピンの歴代大統領を国賓として招くなどして友好関係を築いてきた。