Cameraと散歩

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161127 恥ずかしいドイツ

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変見自在 高山正之

恥ずかしいドイツ


ドイツ人が「次はイタ公抜きでやろうぜ」といった理由の一つは、イタリア軍があまりにも弱かったことが挙げられる。 先の大戦でもムッソリーニ鎧袖がいしゅう一触とか大風呂敷を広げてギリシャに侵攻したが、逆にギリシャ軍に叩きのめされてしまう。 ヒトラーはしょうがない、急ぎ軍を振り向け、3週間後にはアテネアクロポリスの丘を制していた。


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丘に翻るギリシャ王国旗を下ろし、代わりにドイツの旗を揚げるようギリシャ人衛兵に命じたが、彼は拒み、崖から身を投じた。 このエピソードが示すようにギリシャ側の抵抗はヒトラーも感嘆するほど激しかった。 レジスタンスの抵抗も続いたが、独軍はそれには恐怖で応じた。 独兵が1人殺されると、報復にかつてのローマ軍と同じに「デシメイト」をやった。 付近の村の民を一列に並ばせ、10人に1人を選び出して処刑していった。 独兵の犠牲が大きい場合はその村まるごとの虐殺も厭わなかった。 デルフォイの遺跡に近い街では281人が処刑された。

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彼らはまたフビライの軍隊のように略奪も好んだ。 燃料も食糧も奪ったうえギリシャ銀行から5億マルク、今の金にして約1兆4千億円を無利子、催促なしで借り出している。 女も略奪した。 フランツ・ザイトナー『晩春・同性愛・自己毀損 ドイツ衛生指導の諸問題』によると独軍は500箇所以上の性サービス施設を作り、ギリシャポーランド、ユーゴなどからかき集めた女を繋いで将兵らに性のサービスをさせた。 「彼女らをどんどん酷使せよ。できるだけ早く除去できればなお良い」というのが「ナチの方針」だったとある。

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彼女らにはまともな対価も払われず、性病感染の予防などの衛生管理すら施されなかった。 彼らはいく先々でユダヤ人らを狩り出してはヒトラーの言う「最終解決」を進め、独市民も嬉々としてそれに協力した。 ドイツ人は今のイスラム国と寸分変わらなかった。 しかし彼らは戦後、我々もヒトラーの犠牲者だと言い出し、ブラント首相がワルシャワのゲットーでひざまずいたことで国民の2割を占めるナチ党員らの責任はすべて許されたことにした。

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独軍が侵略した国々には雀の涙ほどの賠償金を払って、これも後腐れなく終わったと主張している。
雀の涙がどれほどか。
例えばギリシャには1億1500万マルクが支払われたが、これはギリシャ銀行から持ち出した額の4分の1にもならない。
各地での虐殺被害や徴発された数千の性奴隷への償いも一切なかった。

こう言うのを無責任とヒトは言うが、例えば首相のメルケルも嘘が得意のフランクフルター・アルゲマイネ紙特派員カルステン・ゲルミスも、そうは思っていない。
「我々はきちんと歴史に向き合って償ってきた」と昂然、言い放つ。


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どころかゲルミスは吉田清治の嘘をもとに20万人慰安婦強制連行を言う朴槿恵の肩を持って「安倍が歴史を改竄した」、「日本は孤立する」とか書く。
この男は東京に5年いて何を取材したのか。

朝日新聞の社長が吉田清治の嘘でクビになり、吉田の嘘を振り撒いた清田治史が大学教授の職を辞し、植村隆もまた世間の指弾を浴びた。
それに目をつぶり、ヒルシャー以来の独特派員の伝統「日本を叩け」記事を繰り返す。
それなら国にいても書けるだろうに。


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そんな不遜なドイツに対してギリシャが先の戦争で蒙った被害は2790億ユーロ、約36兆円になるとの試算を先日、公表した。
ギリシャはそれを請求する意向だが、メルケルは昔の雀の涙ほどの賠償で「ギリシャへの義務は済んだ」を繰り返すだけだ。

因みにギリシャがデフォルトに陥るとか騒がれる債務はたった15億ユーロ。
ドイツが銀行狩り出し分だけでも返せばお釣りがくる。
ドイツは今こそ歴史を直視し、頭を下げるがいい。
そして二度と日本に謂れない因縁をつけるでない。

’15.6.18 週刊新潮より