Cameraと散歩

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170718 支那の新聞か

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変見自在 高山正之

 支那の新聞か



サミュエル・ハンティントンは『文明の衝突』の中で、キリスト教文化圏とかイスラム圏とか世界をいくつかの文化圏に分けていって、初めて日本を独立した文化圏と認めた。

正確にいうと「独立」というより「他の社会と共通の文化を持たない」「キリスト教共産主義などのイデオロギーも共有しない孤立国」としている。

彼はまた日本が支那文化圏と別れたのは紀元1世紀くらいと言っている。

それでも例えばトインビーのころの評価よりははるかにましだ。

トインビーは「日本は支那文化圏の傍流の一つで、成立は大化の改新ごろ」としている。

まだ支那のへその緒がついている。

黄色人の文化など一緒くたでいいという横柄さが滲む。

おかげで文化は「支那から朝鮮経由日本」のアホな図式ができて、朝鮮人が偉そうにする根拠を生んだ。



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大体、支那四大文明の発祥地というのも怪しい。

あれは戊戌ぼじゅつの政変で亡命してきた梁啓超に、日本人がお前らには大した文化があったと教えた。

それで梁は満州族の奴隷になっている漢民族を鼓舞するために「わが民族はエジプトやメソポタミアなどに並ぶ四大文明を持っていた」とぶった。

「もっと自覚を持て」と。

ユダヤ民族がバビロンの奴隷にされたとき民族意識を持たせるために「神に選ばれた民」とする旧約聖書を編んだ。

梁の一文もまた漢民族にとっての聖書みたいなものだった。



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尤も殷、周とかの鉄器文化は西方騎馬民族文化の影響が濃い。

古い征服王朝の文化といわれ、漢民族の王朝が立った途端、文化は急にみすぼらしくなる。

支那の絢爛の文化が咲き誇った唐も清も、みな異民族の王朝だった。

おまけにアステカやインカなど支那よりもっと古く、もっと知性高い文化がいくつも存在することが判ってきた。

マヤの天文学は現代の知識でも解けていない。

こうみると支那にはもともと文化はなかった。

あったとしてもトップ4などお笑い種ということになる。



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ハンティントンはそこまでは言い切らなかったが、それゆえに文化のないところにできた日本文化の独自性を認めざるを得なかったのだろう。

ただ、その後がいけない。

この本の最終章では大きくなった支那が欧米と第3次大戦を起こすと予言する。

このとき日本は「狼狽うろたえた挙句、支那に与して欧米と戦う道」を選ぶ。

欧米軍はまず太平洋側から日本を攻め、一方、西側からもロシアと組んで支那を攻める。

ウイグルを解放し、長城を越えて北京は焼き払われ、日本と支那は滅びる。

その後のアジアは豪州が握るという展開だ。

彼はなんのかんの言っても「日本は支那とへその緒でつながっている」という判断をしたようだ。

無理もない面もある。



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この本が出たころは朝日新聞吉田清治もまだ元気だった。

朝日は慶大教授の添谷芳秀に「文化大国支那に対し日本は二流国という選択がある」と書かせている。

へその緒は健在に見えるし、実際、政府も支那ODAも技術も朝貢してお仕えしていた。

しかし大きくなった支那日系企業を焼き、尖閣も小笠原の赤珊瑚も取りにきた。

日本人は心の底から文化の違いを知った。



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いま日本人の8割は支那を嫌悪する。

その辺を読んだ仏ジャーナリスト、クロード・ルブランが「第3次大戦は敵対する日支の衝突から始まる」という小説を書いた。

この本を朝日新聞にでかでか紹介したのが支那万歳を叫んできた論説主幹の大野博人だった。

今ごろ支那の根性が判った、というわけでもなさそうで、日支がぶつからないよう「お互い模擬攻撃や挑発するような曲技飛行をしないよう」注意している。

いずれも支那が過去やった事例だ。

安保法案が通った。

日本は本気だ。

余計なことをするなという支那人向けの警告としかとれない。

そんなこと日本の新聞に書くな。




 

’15.10.1 の週刊新潮より