‘19/01/11日付け北海道新聞朝刊1面の記事
文大統領、対応策示さず
徴用工問題「争点化、賢明でない」
【ソウル幸坂浩】韓国の文在寅大統領は10日、ソウルの大統領府で年頭記者会見を開いた。
元徴用工訴訟で韓国最高裁が日本企業への賠償命令を確定させたことに関連し「日本の政治家や指導者がしきりに政治争点化させることは賢明ではない」と述べ、日本側の姿勢を批判した。
注目されていた韓国政府としての対応策は示さず、調整にはなお時間がかかるとの認識を示した。
問題の早期収拾は不可能だとの姿勢を示したもので、日韓関係の行方は一段と不透明になった。
文氏は、日本政府が賠償問題は解決済みとしている日韓請求権協定について「(歴史問題の)すべてが解決されたとは見なされない」との認識を表明。
三権分立のため、韓国最高裁の判決は尊重する必要があると説明した。
「問題を韓日がどう解決していくかは真摯に知恵を絞らなければいけない」とも述べ、日本側も一緒に解決策を検討すべきだとの考えを示した。
また、元徴用工訴訟の判決が出ないように朴槿恵前政権が司法介入していた疑いで捜査が行われていることを指摘。
「(捜査の」状況が整理されるのを見守り、判断しなければならない」と述べ、早期解決は難しいとの認識を示した。
日本政府が請求権協定に基づく協議を韓国側に要請したことへの対応については言及がなかった。
一方、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が4度目の訪中を果たしたことについては「2度目の米朝首脳会談が近づいた兆候だ」と評価した。
南北で合意している金氏のソウル初訪問は、2度目の米朝首脳会談の後になるとの見通しも示した。
また、昨年末に金氏から届いた親書に対して既に返信したことを明らかにし、今年も複数回の南北首脳会談を開く意向を表明した。
190111 文大統領、対応策示さず 徴用工問題「争点化、賢明でない」