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190111 社説 徴用工賠償問題 対話深め解決の知恵を

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’19/01/11付北海道新聞朝刊6面の記事

社説 徴用工賠償問題 対話深め解決の知恵を

日本の植民地時代の強制労働
(1)を巡り、韓国人徴用工に対する賠償問題が袋小路に陥っている。

日本政府は韓国最高裁による日本企業への賠償命令判決に関し、1965年の日韓請求権協定に基づく政府間協議を韓国側に要請した。

被告である新日鉄住金の資産が差し押さえられたためだ。

これに対し、文在寅ムンジェイン大統領はきのう「日本政府はもう少し謙虚な立場を」と批判し、協議に応じるかは明言しなかった。

歴史問題を巡る対立を先鋭化させても、両国にとって不利益となるだけだ。

真摯な対話を重ね、被害者
(2)が納得できる未来志向の解決策を早急に見いだすべきである。



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請求権協定は日本が韓国に経済協力として5億ドルを供与することで、両国の賠償請求問題は「完全かつ最終的に解決された」ことを確認した。

日本政府は徴用工問題も協定により「解決済み」との立場を取っている。
(3)

韓国政府も強制労働問題の解決資金は受け取ったとの見解を示していた。

しかし韓国最高裁は「個人の請求権は消滅していない」との判断を出した。

韓国政府の外交的立場と相いれず、本来は韓国国内で決着させるべきであろう。




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日本政府が繰り返し韓国側に対応策を求めたのは理解できる。

ただし、高圧的に韓国側の責任を指摘する形で、協議を要請しても解決につながるとは限らない。

感情的な対立をあおるだけではないか。

今のような姿勢では韓国が協議に応じるかも分からない。

協議が実現したとしても不調に終われば、日本政府は第三国の委員を交えた「仲裁委員会」での話し合いを求める考えだ。

さらには国際司法裁判所(ICJ)への提訴も視野に入れている。




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だが、仲裁委やICJの審理には韓国の同意が必要だ。

日本の主張が全面的に認められる保証もない。
歴史問題の長期化を国際社会に印象づける負の側面もある。
(4)

文政権のあいまいな姿勢の背景には支持率低迷があろう。

かといって、この問題を政治利用するのは不適切である。

韓国政府には差し押さえられた新日鉄住金の資産が売却に至る前に解決策を示す努力を求めたい。

両政府は被害者
(2)の苦痛をどう癒すかという原点を見つめ直し、解決への対話を深めるべきだ。

日韓は自衛隊きへのレーダー照射問題でも溝を深めている。

さらなる外交関係の冷却化は避けなければならない。
(5)



(1) 日本の植民地時代の強制労働
大韓帝国皇帝純宗の要望により「韓国併合ニ関スル条約」[明治43年(1910)8月22日に漢城府:ソウル特別市寺内正毅統監と李完用総理が調印し、29日に明治天皇大韓帝国皇帝純宗がそれぞれ勅諭を公布した。]を締結し、日本が韓国を統治した期間は、”日本の植民地時代”というのか。

韓国人労働者には、企業の募集に応募して働いた者、国民徴用令により昭和19年9月から昭和20年3月までの7ヶ月間に派遣された者がいるというのだが、それが”強制労働”なのか。


(2) 被害者
企業の募集に応募して働いた者、国民徴用令により派遣された国民が”被害者”となるのか。

(3) 立場を取っている。
ほかの立場があるかの様な表現である。

(4) 日本の主張が全面的に認められる保証もない。
歴史問題の長期化を国際社会に印象づける負の側面もある。

“認められない”とか”負の印象を与える”とか、何を恐れているのであろうか。

(5) さらなる外交関係の冷却化は避けなければならない。
日本の正当性を主張し、国益を守ることが大切であり、良好な外交関係を保つことが大切なのではない。


190310-190111韓国徴用工6面