Cameraと散歩

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螢の光

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螢の光

(一)
螢の光 窓の雪
ふみ讀む月日 重ねつつ
何時いつしか年も すぎの戸を
開けてぞ今朝は 別れ行く



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(二)
止まるも行くも 限りとて
かたみに思ふ 千萬ちよろず
心のはしを 一言に
さきくとばかり 歌ふなり




“P8201023"

(三)
筑紫つくしの極み みちの奥
海山遠く へだつとも
その真心は 隔て無く
一つに盡くせ 國の為




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(四」
千島ちしまの奥も 沖縄も
八洲やしまの内の まもりなり
至らん國に いさおしく
努めよ我が つつが無く




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現代語意訳

1.
蛍の淡い光や 月光の雪明かりを窓から取り入れ
書物を読む日々を重ねていると
いつの間にか年月は過ぎ去っていき
今朝は杉の戸を開け 級友と別れていく




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2.
故郷に残る者も 去り行く者も
今日限りなので 互いに思い合う無数の想いを
たった一言「幸あれ(どうかご無事で)」と歌うのだ




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3.
九州の果てでも 東北の奥地でも
海や山で遠く隔てられても
真心は隔てられることはなく
ひたすらに力を尽くせ 国のため




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4.
千島列島の奥も 沖縄も
日本国の護りのかなめ
統治の及ばぬ異国には勇敢に
尽力せよ我が兄弟 無事であれ