螢の光
(一)
螢の光 窓の雪
開けてぞ今朝は 別れ行く
(二)
止まるも行くも 限りとて
心の
(三)
海山遠く
その真心は 隔て無く
一つに盡くせ 國の為
(四」
至らん國に
努めよ我が
現代語意訳
1.
蛍の淡い光や 月光の雪明かりを窓から取り入れ
書物を読む日々を重ねていると
いつの間にか年月は過ぎ去っていき
今朝は杉の戸を開け 級友と別れていく
2.
故郷に残る者も 去り行く者も
今日限りなので 互いに思い合う無数の想いを
たった一言「幸あれ(どうかご無事で)」と歌うのだ
3.
九州の果てでも 東北の奥地でも
海や山で遠く隔てられても
真心は隔てられることはなく
ひたすらに力を尽くせ 国のため
4.
千島列島の奥も 沖縄も
日本国の護りの
統治の及ばぬ異国には勇敢に
尽力せよ我が兄弟 無事であれ
螢の光