’19/11/21付北海道新聞朝刊10面の記事
韓国「一審」要求検討
WTO訴訟 対日協議終了か
【ソウル共同】日本による半導体材料の輸出規制強化は不当だとして世界貿易機関(WTO)に提訴した韓国政府は近く、裁判の「一審」に当たる紛争処理小委員会(パネル)の設置をWTOに求めるかどうか本格的な検討に入る。
スイス・ジュネーブでの2回目の日韓協議後、韓国政府は19日、日本の主張に「客観的な根拠はない」と改めて反論した。
一方、日本の経済界は一段の関係悪化を警戒している。
韓国産業通商資源省の丁海官・新通商秩序協力官は、2回の協議でも「両者の基本的な立場に変わりはない」と指摘。
次回協議の可能性は高くないとして、帰国後にパネルの設置要請について政府内で議論する考えを明らかにした。
7月に始まった韓国向け輸出規制強化の対象となる半導体材料3品目は、既にいずれも日本政府による許可事例がある一方、韓国側は「規制強化が禁輸措置とは違うという根拠づくりにすぎない」として措置自体の撤回を求め続けている。
23日に失効が迫る日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA=ジーソミア)を巡っても、韓国側は日本の輸出規制強化の撤回が協定破棄見直しの前提条件だとの強固な姿勢を崩さない。
ただ、両国によると、19日の2国間協議では協定に関する言及はなかった。
関係改善の見通しが立たない状況に不安の声も聞こえる。
20日、日本貿易会の中村邦晴会長は梶山弘志経済産業相との懇談後の記者会見で「企業活動への影響という点では、日韓関係の正常化の遅れを懸念している」と述べた。
191121 韓国「一審」要求検討 WTO訴訟 対日協議終了か