'19/11/22付北海道新聞朝刊1面の記事
軍事情報協定明日失効
日韓なお歩み寄らず
韓国政府は21日、国家安全保障会議(NSC)を開き、失効期限が23日午前0時に迫る日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA=ジーソミア)について協議した。
大統領府は終了後、「韓日間の懸案解決を目指し、関係国と緊密な協議を続けていく」と発表。
日韓両政府は21日、失効回避に向けた協議を安保・外交当局など複数のルートで続けたが、妥協点は見いだせていない。
韓国側の発表には、期限ぎりぎりまで日本の譲歩を促す姿勢を強調する狙いがあるとみられる。
日本外交筋によると、両政府は外交当局間だけでなく、双方のNSCルートを通じて協議を実施。
韓国による協定破棄の撤回や協定失効期限の延長などの可能性を議論したもようだ。
協議には安倍晋三首相側近の北村滋国家安全保障局長も携わっているという。
韓国のNSCに出席した康京和外相は終了後、国会外交統一委員会で「日本の態度変化がない限り(協定破棄を)再考しない」との立場を説明。
日本による輸出規制強化の見直しが状況改善の前提になるとの認識を改めて示した。
一方、日本政府も21日、官邸でNSCの4大臣会合を開催。
輸出規制とGSOMIAは別問題だとする既定方針を再確認したとみられる。
菅義偉官房長官は記者会見で「引き続き韓国側に賢明な対応を強く求めていく」と述べた。
日韓防衛当局は協定が失効した場合に備え、GSOMIAの代替的な役割を担う新たな協定の締結や情報共有に関する既存の覚書の拡充などを検討している。
(東京報道 上家敬史、ソウル 幸坂浩)