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191122 世論は「破棄」引けぬ韓国  軍事情報協定あす失効

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’19/11/22付北海道新聞朝刊5面の記事

世論は「破棄」引けぬ韓国
軍事情報協定あす失効


日韓両政府は21日、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA=ジーソミア)の失効期限が23日午前0時に迫る中、事態回避の可能性を探るため当局間でぎりぎりの協議を重ねた。

ただ文在寅政権は協定破棄を支持する国内世論をにらみ、日本が輸出規制強化を見直す姿勢を示さない限り、破棄決定の再検討は困難との立場を堅持。

北朝鮮に対抗する上で協定の軍事的な価値を認めながらも、自縄自縛の状況に陥っている韓国に、日米の説得攻勢が功を奏するかは見通せない。




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日米説得攻勢にも折れず

韓国の康京和外相は21日、国会の外交統一委員会で失効回避に向け「最後まで努力する」と強調。

大統領府も同日開いた国家安全保障会議(NSC)の終了後、日韓の懸案を解決するため、主要関係国と緊密に協議していくとの方針を発表した。

韓国側が外交努力を惜しまない姿勢を強調する背景には、協定失効で北東アジアの安全保障に隙が生じることを懸念する米国への配慮がある。

実際、韓国側は21日も安倍晋三首相に近い北村滋国家安全保障局長や外務省幹部らと失効回避に向けた協議を重ねており、日本外交筋は「日韓の関係当局はまだ諦めていない」と話す。




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だが日韓両政府の立場はなお隔たりが大きい。

韓国の調査会社リアルメーターが18日に発表した世論調査では、55.4%が協定破棄を支持したのに対し、反対は33.2%にとどまり、来年4月に総選挙を控える文政権は日本の態度変化という「大義」がない限り、方針転換に踏み切れないのが実情だ。

そもそも、文政権を支持する革新層は日本との軍事協力に否定的で、協定締結は前朴槿恵 政権の失政とみる向きが強い。

これに対し、日本政府は輸出管理とGSOMIAは「次元の異なる問題」(梶山弘志経済産業相)だとし、韓国の求めには応じない構えだ。

菅義偉官房長官は21日の記者会見で韓国の破棄決定を「地域の安全保障環境を完全に見誤った対応」と非難。

近く駐英大使に転出する長嶺安政駐韓大使は同日の離任会見で、2016年11月に自ら協定に署名した経緯を踏まえ「東アジアの安全保障で重要な役割を果たしている協定だ」と韓国側に再考を促した。




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日本政府内では打開策を探る時間を確保するため、韓国がGSOMIAの失効期限を3カ月程度延期すると申し出ることを期待する声も出ている。

ただ文政権が態度を軟化させる保証はなく、日本政府高官は本音を漏らす。

「痛みを先送りするくらいなら、いま失効した方がましだ」
(ソウル 幸坂浩、東京報道 上家敬史)


200628-191122世論は破棄5面