’20/08/01付北海道新聞朝刊6面の記事
「台湾独立は袋小路」
中国、李登輝元総統死去で牽制
【北京共同】中国外務省の汪文斌副報道局長は31日の記者会見で、台湾の李登輝元総統が死去したことに関し「『台湾独立』は袋小路だ」と強調した。
ポンペオ米国務長官が7月30日、「李氏の大胆な改革が、台湾を民主主義の道しるべに変貌させる不可欠な役割を果たした」と高く評価する声明を発表したことを念頭に、「台湾独立勢力に誤ったシグナルを出すな」とも述べ、牽制した。
汪氏は「中国の国家統一と民族復興は歴史の大勢で、いかなる人も勢力も阻止できない」と主張。
関係各国は「一つの中国」原則を堅持し、台湾関連の問題には慎重に対応するよう要求した。
台湾への支持姿勢を強調することで中国に圧力をかける米国の動向に神経をとがらせている。
一方、李氏の葬儀に日本からは、森喜朗元首相が参列する案が浮上。
複数の関係者によると、日台間には正式な国交がないため、政府や安倍晋三首相の「特使」ではない形での出席を想定、東京五輪・パラリンピック組織委員会会長を務める森氏の日程などを踏まえ調整を進めている。
共産党機関紙、人民日報系の環球時報(電子版)は31日「祖国分裂を推進した。決して許さない」との見出しで社説を掲載した。
台湾の民主化と独立を結び付けて推し進め、米国が中国を抑圧する足掛かりを与えたとして李氏を批判。
「静かな台湾海峡を危険で不安定な状態にかき乱した初めての『選挙で選ばれた総統』になった」と訴え「歴史に悪名をとどめた」と酷評した。
国営中央テレビ(電子版)は、李氏がかつて沖縄県・尖閣諸島の主権は日本にあると表明したことを取り上げ「売国」と痛烈に非難した。
その上で「継承者は台湾独立の道を猛烈に走っているが(中国と台湾は)必ず統一するという歴史の大勢を無視している」と指摘。
独立志向の民主進歩党(民進党)の蔡英文政権を牽制した。
200801 「台湾独立は袋小路」 中国、李登輝元総統死去で牽制