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201025 中国船の違法操業急増  EEZ内 大和堆 退去警告3.6倍

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'20/10/25付北海道新聞朝刊3面の記事

中国船の違法操業急増
EEZ大和堆 退去警告3.6倍


日本海の好漁場で日本の排他的経済水域(EEZ)内である大和堆周辺で中国漁船の違法操業が急増している。
水産庁の漁業取締船が今年に入って中国漁船に退去警告をした隻数(9月末現在)が前年同期の3.6倍に上る一方、北朝鮮漁船は姿を消した。
中国漁船はスルメイカを大量に捕っており、漁業関係者は資源への影響を懸念している。

大和堆周辺には函館港や石川県小木港山形県酒田港などを拠点にイカ釣り漁船が出漁しており、4年ほど前から中国や北朝鮮の漁船による違法操業が目立っている。
水産庁によると、今年は8月からスルメイカを狙う中国漁船が急増し、9月末までの退去警告は前年同期比3.6倍の延べ2586隻(うち329隻には放水)。
一方、昨年9月末までに2164隻あった北朝鮮漁船への退去警告は今年はわずか1隻だった。




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北朝鮮漁船が新型コロナウイルス感染防止のため出漁をやめた代わりに中国漁船が操業しているー。
関係者の間ではこんな見方が出ているが、真相は不明だ。
水産庁は9月30日から安全確保を理由に日本漁船に一部海域で操業を自粛するよう要請。 「日本漁船が操業できる漁場が狭くなる」(兵庫県の漁業関係者)事態になっている。

懸念されるのが資源への影響。
日本漁船が主に200トン未満なのに対し、中国漁船は500〜1000トン級のものもある。
中国漁船は大量の魚類を一気にとれる引き網や、強力な集魚灯や巨大な網で魚群を捕らえる虎網などを使っているとみられる。
小型の木造船が多い北朝鮮漁船と違い、中国漁船は漁獲量が桁違いに多いのが特徴だ。

特に10〜12月に北陸沖から東シナ海で産卵し日本海を北上する秋生まれのスルメイカが乱獲され、不漁が続く道内近海への来遊がさらに減る虞がある。
函館頭足類科学研究所の桜井泰憲所長は「このままでは日本海からスルメイカがいなくなる」と指摘する。




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こうした事態を受け、全国漁業協同組合連合会(全漁連)の岸宏会長は16日に首相官邸農林水産省などに対策を要請。
水産庁が日本漁船に操業を自粛するよう求める対応も改善するよう訴えた。
岸会長は要請後、記者団に「日本のEEZを守るのは国の責任。日本の漁船が操業できるようにしてもらいたい」と強調した。(長谷川裕紀)



210115-201025 3面中国船違法操業急増