Cameraと散歩

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220727 北海道似湾編 椎茸狩り 2の1

IMGR074-02


履 歴 稿    紫 影子  


北海道似湾編
 椎茸狩り 2の1


 その日は、私が似湾の学校へ転校してから、あまり日数がたって居なかったと思っているが、全校の生徒が校長先生の引率で、その山裾が校庭の木柵まで延びて居る裏山へ、椎茸狩りに行ったことがあった。
 学校の周囲は、校門の両側から校庭と校舎を、清水の湧く裏の小沢の方面を除いた三方へ、高さが一米程あった木柵を巡らして在って、その南側は私の家から四十米程離れた所を東方へ直線に延びて居て、其処から校舎に併設されて居る校長住宅の横を台地の北端まで九十度の直角に曲って、直線に施設されて在った。




IMGR074-10

 私達生徒が、校長先生の引率で椎茸狩に行った裏山へは、校長住宅の玄関前を通って東に突当った所の木柵に、三尺の木戸があって、地方の人達が薪を搬出する通路になって居る所から登るのであったが、その木戸を出た所からは、道幅が狭い小路の両側が雑木の生い茂った原始林の緩い傾斜が三十米程続いて居て、其処からは幾度か曲って登る急斜面になって居た。

 山頂への路は、地方人達が薪を背負って搬出するために施設した小路であったから、路傍に生い茂る老木の根が所所に露出をして居たので、話に夢中になって足許に油断をすると、その露出した根に躓いて転倒する者もあったが、その老樹には、早春の陽を浴びて、私にはその名も知れぬ小鳥の群が、芽ぶくれた枝から枝へ囀づつていた。

 やがて、私達は山頂へ登り着いたのだが、峯の平坦な所は二十米程であって、其処からは東側に在った谷間へ降る急斜面になって居た。