'20/12/08付北海道新聞朝刊8面の記事
米「四島生まれは日本出身」 ロシア「報復主義」と批判
【ユジノサハリンスク仁科裕章】ロシア外務省は6日、実行支配する北方領土で生まれた人が米国永住権(グリーンカード)を申請する際、米政府が数十年前から出身国を日本として扱っていたことについて「米国務省は第二次世界大戦の結果に疑問を投げかけ、報復主義を広めようとしている」と批判した。
同省のツイッターで表明した。
さらに「米国が修正主義の大国であるという、さらなる証拠が必要なのか。
1945年に下された決定により、クリール諸島(千島列島と北方領土)はソ連に譲渡された」と指摘。
在日ロシア大使館も同じ内容をツイッターに上げ、米英首脳が同年、旧ソ連に対日参戦の見返りに千島列島の引き渡しを密約したヤルタ会談の写真なども添付した。
北方領土の出身者に対する米国務省の扱いは、北海道新聞が4日に報道。 同省が1956年に、北方四島は日本固有の領土で日本の主権下にあることを認めた覚書が根拠とみられる。
国営ロシア通信によると、北方領土の択捉島を事実上管轄するサハリン州クリール地区のロコトフ地区長は7日、「クリール諸島の住民がグリーンカードを申請したケースは、1件も知らない。この規定はただ迷惑なだけだ」と述べた。
201206 日中韓首脳会議 年内開催見送り
'20/12/06付北海道新聞朝刊2面の記事
日中韓首脳会議 年内開催見送り
日中韓3カ国による首脳会議は、年内開催が見送られる見通しとなった。
持ち回りの議長国を務める韓国は年内開催に意欲を示していたが、韓国人元徴用工訴訟をめぐる日本との協議で溝が埋まらず、調整は難航。
韓国政府は早期開催を目指して働きかけを続ける構えだが、展望は開けていない。
韓国最高裁は2018年の判決で日本企業に元徴用工への賠償を命令。
これに当時の安倍政権が「国交正常化の基礎が崩れる」と猛反発。
韓国側が差し押さえた被告企業の資産を売却すれば「深刻な事態を招く」と警告してきた。
関係筋によると、韓国側は菅義偉首相の就任後、原告への賠償を韓国政府が肩代わりする案などを非公式に打診。
先月来日した朴智元・国家情報院長は菅首相に「日韓首脳共同宣言」を提案し、文在寅大統領との政治決着を促した。
しかし、不信感を強める日本側は「まず韓国側が判決を修正するなど原状回復する必要がある」(政府関係者)との立場を譲らなかった。
共同宣言案についても「具体的な提案はなかった」(加藤勝信官房長官)と突き放した。
対面での日韓首脳会談は、中国・成都で日中韓首脳会議に併せて行った昨年12月が最後。
新型コロナウィルス感染拡大の影響もあり1年近く実現していない。