Cameraと散歩

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140912 所長発言を、なぜ一部欠落させたのか

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140912 吉田調書をめぐる本社報道 経過報告

所長発言を、なぜ一部欠落させたのか
「事後の感想であり不必要」と評価誤る


吉田所長が、福島第二原発へ避難した所員の行動を「はるかに正しい」と評価していた部分や、「伝言ゲーム」で所員の多くに指示がつたわらなかったことを認識していたくだりを記事から欠落させていた。
「命令違反」と記事に書くにあたり、こうした吉田所長の証言がありながら、所員側への取材ができていないなど必要な取材が欠けていた。


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「正しい」という発言については、吉田所長が所員の行動について後から感想を述べたにすぎず、必ずしも必要なデータではないと考えていた。
発言の評価を誤り、十分な検討を怠っていた。


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5月20日付朝刊では「本当は私、2F(福島第二原発)に行けと言っていないんてすよ。福島第一の近辺で、所内にかかわらず、線量が低いようなところに1回退避して次の指示を待てと言ったつもりなんですが、2Fに着いた後、連絡をして、まずはGM(グループマネジャー)から帰ってきてということになったわけです」と証言を引用した。

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だが、調書の原文では「2Fに行けと言っていない」の後に「ここがまた伝言ゲームのあれのところで、行くとしたら2Fかという話をやっていて、退避をして、車を用意してという話をしたら、伝言した人間は、運転手に、福島第二に行けという指示を出したんです」との証言があった。
さらに「よく考えれば2Fに行ったほうがはるかに正しいと思ったわけです」との発言も紹介しなかった。


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これらの発言はデジタル版には掲載していたが、紙面でも報じるべきだった。