190105 「立場異なる」防衛省が声明 日韓外相は電話会談
’19/01/05付の北海道新聞朝刊2面の記事
「立場異なる」防衛省が声明
日韓外相は電話会談
防衛省は4日夜、韓国海軍駆逐艦によるレーダー照射問題で韓国国防省が公開した動画に関し「われわれの立場とは異なる主張が見られる」と反論する声明を発表した。
韓国側と応酬が続く形となったが「今後とも日韓防衛当局間で必要な協議を行っていく」ともしており抑制的な面も見られる。
一方、日韓両外相は電話会談し、早期解決を探った。
声明はレーダー照射に関し「不測の事態を招きかねない危険な行為で、極めて遺憾」と強調。
昨年12月22日に発出した声明と同様の表現で再発防止を求めた。
公開された動画を見た自衛隊関係者は「日本側を非難する目的だけで作成されたとしか思えない。こちらが示した証拠に何も答えておらず、友軍としてあるまじき対応だ」と怒りをあらわにした。
防衛省内では「韓国側の対応はお粗末だが、北朝鮮対応を考えると連携をは欠かせない」(同省幹部)として、沈静化を期待する声も根強い。
河野太郎外相は4日、韓国の康京和外相と電話会談し、歩み寄りを模索。
レーダー照射問題が発生して以来、両外相が電話会談するのは初めて。
河野氏は、会談後、記者団に「事実関係を踏まえて協議し、早期に解決することが重要だとの認識で一致した」と語った。
韓国国防省は日本に謝罪を要求したが、河野氏によると康氏から謝罪要求はなかったという。
また両外相は、韓国最高裁が新日鉄住金に賠償を命じた元徴用工訴訟の原告代理人による同社資産の差し押さえ申請を巡っても協議。
河野氏は「日本企業に不当な不利益が生じれば毅然とした対応を取らざるを得なくなる」と牽制した。