’19/10/03付北海道新聞朝刊1面の記事
ミサイル 潜水艦発射型か
EEZ内落下 米朝協議にらむ?
北朝鮮は2日午前7時10分ごろ、東部・江原道元山の北東約17キロの海上から日本海に向けて弾道ミサイルを発射した。
防衛省によると、通常より高い角度で打ち上げる「ロフテッド軌道」で発射され、島根県隠岐諸島の島後沖約350キロ(メートル)付近の日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したとみられる。
韓国軍は、過去に発射された潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「北極星」(射程千キロ以上)系列との見方を示した。
日本政府は同日、国連安全保障理事会決議に違反するとして、中国・北京の大使館ルートを通じ北朝鮮に抗議した。
北朝鮮のミサイルが日本のEEZ内に落下したのは、2017年11月に青森県西方約250キロで確認されて以来約1年10カ月ぶり。
航空機や船舶への被害は確認されていない。
韓国軍によると、ミサイルの飛距離は約450キロ、最高高度は約910キロ。
「北極星」系列を通常の角度で発射すれば、日本の領土が射程に入る虞がある。
日本政府はミサイルが空中で二つに分離し、EEZ内と北朝鮮沿岸に落下したとみている。
政府は国家安全保障会議(NSC)4閣僚会合を首相官邸で開き、安倍晋三首相は「国連決議違反であり、厳重に抗議し、強く非難する」と強調した。
北朝鮮は1日に非核化を巡る米国との実務協議を5日に行うことを発表したばかり。
米国に揺さぶりをかけ、交渉を優位に進める狙いがあるとみられる。
一方、韓国は破棄を表明し、11月に期限を迎える軍事情報包括保護協定(GSOMIA=ジーソミア)に基づき日本に情報共有を要請した。
(東京報道 仁科裕章、ソウル 幸坂浩)