Cameraと散歩

since '140125

190704 日本、対韓輸出規制を発動  半導体材料「徴用工」の対抗措置

DSCF2954
’19/07/04付北海道新聞2面の記事

日本、対韓輸出規制を発動
半導体材料「徴用工」の対抗措置


政府は4日、半導体の製造に必要な「フッ化水素」など3品目について、韓国に対する輸出規制強化を発動した。
これまでは韓国に輸出する企業に3年間有効な許可を優遇的に与えて個別申請を省略していたが、4日からは個別の取引ごとに審査し輸出の可否を判断する。
徴用工をめぐる韓国側の対応が引き金となっており、事実上の対抗措置。
主力産業への大きな痛手となる韓国側の反発は必至で、日韓関係の一層の悪化は避けられない情勢だ




DSCF2956
規制が強化される3品目は、半導体の洗浄に使う「フッ化水素」とスマートフォンのディスプレーに用いる「フッ化ポリイミド」、半導体の基盤に塗る感光剤の「レジスト」。
いずれも日本企業の世界シェアが高く、他国からの調達は難しいとされる。
韓国半導体大手のサムスン電子などには大きな打撃で工場の生産ラインが停止する可能性がある。
政府の措置は、日本企業に元徴用工への賠償を命じた韓国最高裁判決に加え、慰安婦問題や自衛隊機への火器管制レーダー照射問題などで「信頼関係が著しく損なわれた」(菅義偉官房長官)ことが背景にある。
菅氏は20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)までに元徴用工問題で満足する解決策が示されなかったことを理由に挙げた。

政府内では3品目以外に規制を拡大することも検討。
韓国側は世界貿易機関WTO)への提訴を視野に入れる。




DSCF2959
首相、正当性を強調
安倍晋三首相は3日の党首討論会で、韓国への半導体材料の輸出規制強化について「相手の国が(元徴用工問題などに関する)」約束を守らない中では、今までの優遇措置はとれない。世界貿易機関WTO)に違反する話では全くない」と正当性を強調した。

日本政府の対応を巡っては元徴用工問題への事実上の対抗措置との見方もあるが、首相は「歴史問題を通商問題に絡めたのではない。国際法上の国と国との約束を守るのかということだ」と否定。
両国間の信頼関係が崩れたため、安全保障を目的とした輸出管理を行ったものだと強調した。




DSCF2960
これに関連し、世耕弘成経済産業相は3日、経産省内で記者団に「輸出管理をする上でいろいろなルールを運用している。そういった中で今回措置をとったわけだから、撤回などということは全く考えていない」と述べ、韓国政府が求めている輸出規制強化の撤回を拒否する意向を示した。(金子俊介、米田真梨子)


190804-190704-1首相対韓輸出規制発動